平均余命2023 2025-10-12
これは
Institute for Health Metrics and Evaluationが発表した
Global Burden of Disease (GBD)2023年の骨子を紹介するものです。専門誌
The Lancetに掲載された
University of Washington in Seattleの
Christopher Murrayを中心としたグループの研究によると2023年の平均余命は世界的に
Covid-19大流行前の水準に戻った。世界平均は女性が76.3才、男性が71.5才となった。死亡数などの数字を数十年間にわたって比較することが出来るように研究者たちは標準年代層モデルを設定した。世界の31万のデータ源を利用したが、そのうちの30%はこれまで分析に使われたことがないものだ。204の国や地域のデータがモデルのベースとして使われた。
この研究によると世界の平均余命は女性で1950年の51.2から2023年の76.3才に、男性では47.9から71.5才に延びた。この傾向はとりあえず、これからも続くが延びは小さくなると見られる。
死因
国や地域による平均余命の差は大きく、男女の平均で最も長い国の83才からサハラ以南のアフリカ大陸の62才まで大きな開きがある。
ドイツでは女性の平均余命が1990年の78.62から2023年の83.37才に、男性のそれは72.14から78.51才に延びた。高血圧、喫煙、肥満が健康に悪影響を与え、早い死亡の原因になっているとされる。2021年にはCovid-19感染が最大の死因だったが、2023年にはその順位は20位となっている。世界的感染の前にそうであったように、心臓の血行障害、脳梗塞、慢性閉塞性肺疾患、が2023年の死因の最大のグループとなっており、新生児死亡、アルツハイマー型認知症、肺がん、糖尿病、慢性腎臓疾患、高血圧による心臓疾患などがそれに続く。研究者たちは死亡例だけではなく、障害や健康低下などの例も長期観測を行った。これらの失われた時間を
Dalys (disability-adjusted life-years)として纏めたが、1990年から2023年までのDalysは36%となった。更に、チームは健康に影響があると見られる88の要素を分析したが、これはこれらの要素がDalysに大きく関わると考えられるからだ。2023年に認められた健康に最もリスクの大きい7要素は高血圧、微細粉塵負荷、喫煙、高い血糖値、誕生時の体重不足や早産、大幅な体重過多、高いLDLコレステロール値となっている。