前書き
これは、Gergely Rostaとの共著で、2015年に出版されたReligion in der Moderne-Ein internationaler Vergleich(現代の宗教‐国際比較)の作者、宗教社会学者Detlef Pollackが近頃、新聞Süddeutschen Zeitungのインタビューに応じて語った記事の概要です。Pollackは大学Universität Münsterの教授で、同大学のCentrum für Religion und Moderne,Center for Religion and Modernityがその著作を発表している。
意味を失う宗教
宗教は世界中で劇的にその意味を失いつつある。最近まで宗教の牙城とされてきたポーランド、イランそしてUSAでもその動きは大きい。うまく機能しており活動的な教区は脱宗教の過程を抑制することに成功しているが、全体的には、教会側の対応は教会との関係の低下に対して限られた影響しか与えていない。しかしPollackは、以前のようなラテン語で行われる伝統的な宗教儀式によるミサへの回帰には反対する。多くの人はそれに反感を覚える。私たちは、社会的な趨勢として自由主義的、脱物質主義的な価値を自己決定、性の同権、同性愛の容認の形で表している。
宗教離れ
つい数年前までポーランドは厳格なカトリック社会で、人々の3分の2はカトリック教会の教えを信じていた。それが今は国民の3分の1に減っている。これは地崩れ的な宗教心の崩壊だとPollackは表現する。世俗化の動きは1960年代にヨーロッパとUSAで始まり、最近の15年ではっきりと加速した。それには様々な理由があるが、それは宗教の否定ではなく、人々が他のより重要だと考えることに集中して、宗教から目をそらすようになったことがより強い理由だとPollackは考える。社会の自由化と個別化は一人一人に選択の自由を与える。家庭的、職業的な自己実現、余暇、消費、社会貢献などには過去にはいつも宗教が一定の役割を持っていたが、今では宗教抜きでそれらが出来るようになり、宗教は背景に退いた。
神の国
しかし、宗教離れにはそれぞれの国の特別な理由もある。Pollackはイランを例を挙げ、このイスラム共和国は宗教イデオロギーを拷問、抑圧、弾圧など権威的な方法で押し付けようとしている。そのため人々は政府だけではなくイスラムも拒否するようになった。調査によって違いはあるが、イラン人の30から40%が自らをイスラム信者だと考えており、近隣のイスラム国と比べてその割合は低い。1970年代までイランは深く宗教的な国だった。
福音派の無理強い
興味深い現象はUSAでも認められる。人口の20%ほどを占める福音派の信者は、正にTrump政権下で社会政治的なテーマ、同性愛、人工妊娠中絶などでその保守的な信念による影響力を強めている。 この同盟には反対の動きが起き、宗教的に中庸な人たちは宗教に完全に背を向けるようになっている。福音派の信仰のやり方が不快だから。それらの人たちは宗教そのものから距離をとることになった。国民の3分の1は自分を無宗教だとしているが、20世紀にはその数字はまだ一桁%だった。これは宗教大国でもはっきりとした変革が起きていることを表す。
未来は?
世界中で宗教は急速にその意味を弱めている。どの神であれ、人々はそれへの興味を失っている。それでも、信仰のイメージはまだまだ死んでおらず、世界住民の多数は自分を宗教的だと感じている。